働く人に求められること

利用者の自宅でケアをする仕事について

仕事内容に移動は含まれない

訪問介護の仕事内容は、生活支援・身体介護・通院等乗降介助の3つを守備範囲としている。それをもとに、利用者または日頃介護を行う家族が必要とするサービスを提供し、その日常生活をサポートするのだ。
利用者側に於いては、要介護度の区別等の状態や個々に異なる住宅環境を含めた状況も限定されておらず、幅広いニーズに対応する必要がある。そのため、実際の仕事内容は利用者よって異なり、掃除や洗濯等の生活支援だけという場合もあれば、入浴や排泄介助等の身体介護が含まれる場合もあるのだ。そして、この介護形態では個別の利用者宅を訪れ、通常1件当たり2~3時間程度の勤務時間内で予め作成された介護計画に従い、必要なサービスを提供するのである。
1つの事務所につき正社員5人と登録ホームヘルパー30人程度のスタッフにより構成されることが一般的な傾向ということから、雇用形態としてはパートタイムが多数を占めるのだ。そこで、訪問介護ではその性質上利用者宅への移動を要するが、多くの場合この移動は仕事内容には含まれないのが現状である。また、各事務所では対象地域を限定しているものの、利用者宅間や事務所またホームヘルパー自身の自宅からの移動距離がその日のスケジュールによって異なり、当然通勤経路も日による違いがあるのだ。
これらのことから、訪問介護では移動は当然予定されていものの、移動時間や手段が一概ではない。そして、ホームヘルパーの多くがパートタイムである点からは、この移動は勤務時間に含まれないため、時給に計算されないのが現状となっている。